祖父との思い出

2015/10/17

祖父が亡くなったために、急遽帰省していました。大正11年生まれの93歳。大往生でした。 1年半前の1月19日、体調が悪くなり始めたおじいちゃんに会いに行ったその日、体調を崩し入院となりそこから1年半以上の入院生活になりました。偶然にも僕はおじいちゃんが、元気だった最後の日に立ち会えました。 おじいちゃんとの思い出はたくさんあるのですが、ひとつ印象に残っているのは小学校の宿題で「身近にいる人に戦争の話しを聞いてみよう」という課題をもらったときに戦争の話しを聞いたことです。 第二次世界大戦について聞きたいんだけどと切り出したのですが、それが何のことか伝わりませんでした。私の親が大東亜戦争のことだよと言ってようやく理解してもらえました。 子供心ながらこれはかなりショッキングな出来事でした。 僕たちが歴史としてならったものが戦争の当事者に伝わらない。僕は大東亜戦争なんて呼び名すら聞いたことがない。そんなことで良いのかと。 あの世代の人がみんなそうなのか、私のおじいちゃんだけがそうなのかわかりません。でも戦争のことは経験していない私たちになるべく伝えていくべきだと思う僕にとっては、こんなところに齟齬があって良いのかと未だに胸に引っかかっています。 もともと饒舌な方ではなかったですが、戦争のことになると多くを語ってくれませんでした。あまりに悲惨だった、二度と戦争はしてはいけないということだけ。おばあちゃんが話そうとしても、止めに入っていました。きっと小学生の僕に聞かせるには、あまりに現実は辛かったのでしょう。 あと、最後に昨日の告別式で聞いたのですが、おじいちゃんの人生にとって一番幸せなことは何だったかと問われたとき「優秀な孫の成長を楽しみに生きてこられたこと」と答えたそうです。 僕はおじいちゃんの9人の孫のうちの1人です。優秀だと言われるようなことは何もないけれど、これからおじいちゃんが誇りに思ってくれるような人生を歩めるよう一層努力していきたいなと心に誓った2日間となりました。

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