1000回のトレーニングを終えて

2016/07/01

世界選手権が終わり、次に向けての第一歩がちょうど1000回目のトレーニングとなりました。

2012年の日本選手権が終わり、来年は絶対勝ってやると心に決め、そして代表を目指すとここで宣言をして、その過程を全てここに書いていくと決めました。
当時のフィンスイミング界は環境が整っていなかったこともありますが今ほど練習をしている選手はおらず、僕は競泳で培ってきたノウハウと練習量で絶対に勝てると思いました。競泳時代に週に10回のトレーニングをするのが普通だった僕は、フィンスイミング界の練習量に対する「常識」を変えたいと思いました。そんな気持ちでチャレンジを始めました。

そしていつか僕より身体的にポテンシャルの高い人たちが「柿添がやれるならもっとやれる」と思って超えていってくれたらいいなと思っていました。そして誰かのトレーニングの参考なり目安になればいいなと。やはり目安があると超えていきやすいですから。

1年後、2013年の30歳で迎えた日本選手権で日本新記録で優勝して日本代表入り。2014年の日本選手権では日本記録宣言をして臨んだりもしました。

ですが、このあとからなかなかタイムが出なくなりました。フィンを始めた時は1年ベスト出なかったらやめようって言っていたのに、いつの日かぼくはフィンをとても好きになっていて2年間ベストが出なくとも競技を続けていて、そして今回の世界選手権で2年ぶりに満足のいくタイムでベスト更新となりました。

フィンを始めて1分32秒と3分20秒で代表入りした時、1分26秒と3分10秒まではいけると直感で思いました。根拠はありません。なんとなくです。

今のぼくの目標はこのなんとなく直感で感じたこの場所までいくことです。自分の感覚を大事にしたいなと思います。

世界選手権が終わって帰国した翌日、3時間しか睡眠がとれず仕事をし終えた金曜日に「フィンが履けるならプールに行きたい」と思えるぼくは、まだアスリートとして戦えるのだと思います。
ストイックだねと言われますが今のぼくには努力しているという感覚はありません。目標に向かって夢中でやっている感覚。こういう時の人間は強いです。
「努力は夢中に勝てない」
ぼくはそう思います。もう一度そのサイクルに入れそうだから、この感覚のままもう少しだけ突っ走りたいなと思いますので、皆様も引き続きお付き合いいただけますと幸いです。
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Swim with will
柿添 武文

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