第5回 トレーニングの意識

2018/06/23

対談_柿添・中尾・平野・康大

かいて泳ぐこと自体がとんでもなく速いから、普通そうじゃなくて飛び込みで得た速度をもたせるみたいなのが、そっこから先が強いっていうと、ボトルネックになってるところを直すといっきにのびると。

【中尾駿一】対談記事公開スケジュール

6/19 第1回 序章
6/20 第2回 ドリルをやらない練習方法
6/21 第3回 水を重くとらえる
6/22 第4回 トップスイマーになるとは思っていなかった
6/23 第5回 トレーニングの意識
6/24 第6回 ビート板は持たない
6/25 第7回 ドリルの形よりも意識
6/26 第8回 ドーピングについてと今後の競技種目

トレーニングの意識

6/20 第5回 トレーニングの意識

康大
かいて泳ぐこと自体がとんでもなく速いから、普通そうじゃなくて飛び込みで得た速度をもたせるみたいなのが、そっこから先が強いっていうと、ボトルネックになってるところを直すといっきにのびると。
柿添
そうだね、ぐっとかいて力をいれなくても、最高速からスタートできればまた違うよね。
平野
こういう選手がいましたらかね。
康大
それやばい、漫画ですね。
平野
リオオリンピックの決勝ですね。
中尾
それ一番速かったんですよね。南アフリカじゃないですかね。
柿添
陸上で体を使う意識というか練習が日本人より多いと思う。
平野
日本人ではいないですね。ワールドカップとかみると、日本人てスタートにタイミングを合わせて練習するけど、日本人って絶対手を動かすんですよ。外国人は体を起こす動きをやるんですよ。それで飛んでいるんで。
柿添
ジャンプ動作の理屈が違うんだよね。
平野
手は補助的な動きで。
柿添
中村君はまったく使わずに飛ぶから。先に体を起こしちゃって前向いてからえいって飛んでるから。同時にやればとべるのになって。たぶん脚力が強いんだろうね。飛べちゃうから。入水がきれいだからそれでも遅れないけど。
平野
たぶんトップレベルについてるトレーナーのレベルがどうなのかっていう
柿添
競泳のトレーナーだと、泳ぐことばっかり目がいっているから。スタートターンの動きは、動作的には陸上のほうが近くて。僕もラグビーのコーチについてもらってからなんだよね。違う人の見解をききたくて。競泳をみてどう思うか聞いたら、そもそもスイマーはスタートターンの動きがなってなさ過ぎるって。そこからやった方がいいんじゃないですかって。
平野
ライフセービングはまさに海で泳がないといけない、サーフボードでこがなきゃ、カヌーやらなきゃいけない、ビーチで走るとかそれ全部がライフセービング。それ全部をやる必要はないけど、そこで得意分野を。海で400m泳ぐっていうと、スプリンターにはなかなか厳しい。海で泳ぐっていう選択肢をすてて、僕はビーチで走るっていう選択をしたんでよね。この冬からはトラックの陸上に挑戦しようかなと。やっぱり股関節周りの動きって、キックの動きにいきてくるかなって。100m走のなかでも負荷が大きいんで、そういうトレーニングとか、陸上でも短距離ブロックじゃなくて、跳躍ブロックで練習することで、跳躍も助走ってすごく大事なんで。スピードをあげないとそのパワーを反動で伝えたり。股関節の動きも取り入れられたり。冬場はそれをやろうと。年齢を重ねるとそういう方向に進む傾向が。柿添さんの場合は、トレーナーさんがラグビー専門の人だったっていうことですね。
柿添
競泳はメダルとってるから、かなり確立されてるとは思うけど、でもやっぱり意外とほかの競技からすると競泳ってまだそんなことやってるのって言われたりするんですよね。けど、そういうのも拾ってみると、視点がおもしろいかもしれない。中尾くんは拾っていけそうだし。
平野
まるまる鵜呑みにするんじゃなくて、必要なところを取捨選択していけばおもしろいかなと。
柿添
ほかにみんなからもらっていた質問を。水泳意外の目標、人生設計はありますか。
中尾
とりあえず2020までしか考えてないです。
柿添
あ、ほんと。そのあとも考えてないんだ。
平野
仕事は、なにを。
中尾
ないですね。
平野
地元で仕事したいとか
中尾
全然、どこでも
柿添
そのままメディアにいって、でていきたいとか
中尾
そうですね、その可能性もありますね。もう一個の企業っていうのが山陽新聞社っていうとこで。
平野
まぁ地元をあげてそういう選手がでてきてくれれば、地元はやっぱり応援するとは思うので
柿添
宮下純一(北京五輪銅メダリスト)が芸能人で成功しているよね。僕の大学一個下で仲いいんだけど。
中尾
なるほど。
柿添
あとは、この質問してくれた人もシドニー五輪で1500mの代表で、富山出身でテレビ局で働いてるよ。
中尾
そうなんですね。
柿添
オリンピックでて、テレビ局入って、アナウンサーになって。今は別の業務みたいだけど。
中尾
メディア関係は興味ありますけどね。
柿添
それは芸能人っていうよりはメディア企業ってこと?
中尾
そうですね、芸能人は厳しいかなと思うんで、わかんないですけど。
柿添
最近は慶應出身のブレストの立石諒くんとか。結構テレビ出てたりするもんね。
平野
この前でてましたよ有吉反省会。
康大
人気番組じゃないですか(笑)
柿添
ロンドンで銅メダルとって、リオの選考会で負けてやめますってなった。その間もメディアには出ていて、そのままメダリストってついてるからそれなりに需要があるんじゃないかな。
平野
今はバラエティーとか出てますよね。
柿添
次の質問何にしようかな…。(facebookを見る)
中尾
それ、質問ですか?
柿添
そうそう。中尾君に取材しますってかいてコメントでみんなから聞きたいことを集めたんだよね。これはさっきのでしょ
中尾
すごい。
柿添
競泳への理解がずば抜けていたのか、もしくはただの天才肌か、はたまたもっと別の理由があるから速くなったのか。
柿添
この人も慶應なんだよね。フィンスイマーの。
平野
同じスイミングですよ。
柿添
そうなの。知らなかった。
平野
イトマン川崎です。僕の一個下です。
柿添
中尾さんの競泳以外の今後の人生もみんな興味があるんだけど、今のところ。。競技だけじゃないんじゃないか、って思っているっぽいんだよね。学歴もついてるから。
中尾
それも、2020の結果次第のところもあるんじゃないかなと思います。
柿添
メダル取っちゃえば、また人生変わるからね。
平野
松浦って岡山大だよね?
中尾
みのるさんですか、知ってますけど在学がかぶってないですね。
平野
僕、前職が消防庁でして
中尾
じゃぁ一緒だったんですか?
平野
そう、筋トレがすきで、50が22秒5で泳いでて、就職したとたんに遅くなりました。24秒しかでないみたいな。
中尾
ささみしか食べてなかったっていう噂きいてました。
平野
ある意味彼も感覚がそこまで研ぎ澄まされるタイプではなかったけど天才に近いのかなって。
康大
なるほど。
平野
岡大DNAがスプリンターにはあるんじゃないかっていう。4年に1回くらい速い子がいるんですよね
中尾
50はいますねー
平野
一周するごとにいるんですよ。
柿添
筑波大学の大学院にも入ってきた女の子とかいたよ。僕らの4つ下くらいで。入れ違いくらいだと思うけど。岡大から大学院でうちにきた子がいたね。
あとは、2015、2016年の伸びの理由は?っていう質問多いね。まぁこれはさっき出たように水を重くとらえようっていう風に変わったと。
柿添
ウエイトで好きな種目はなんですか→ウエイトしてません。
中尾
ウエイトってなにがウエイトなんでしょう
柿添
たぶん、重いものをもってやるトレーニングのことだと思う。
中尾
それはしないです。今のところ自重だけですね。
柿添
水中トレーニングで重きをおいてきたトレーニングは?
中尾
高強度トレーニング。
柿添
自由形の好きなドリルは?
中尾
マックスで泳ぐ?になるんですかね。
柿添
そこでドリルを兼ねているんだもんね。
中尾
仙石先生も仰ってたんですけど、たとえば50を4本行ったりするじゃないですか。それで泳いでも実際のレースのスピードでは泳げてなくて。レースのスピードに即した練習っていうのが不足しているって言われてました。
平野
麻生君がそれに近い練習ですよね。同級生でフィンの代表で。東京の国体もメンバーに去年、おととし選ばれていて。その子もコーチがいなくて自分で練習してて辰巳で自主練なんですけど。仕事は水泳を教える指導者やってて、仕事前に辰巳でレッスンとかで練習は最後基本25か50のダイブを、10分とか15分に1本くらい。常にレースみたいな。
中尾
レース速度を日々だしていく練習っていうのが重要だと思うんですよね。
平野
体もそれに慣れると思うし。一日何レースあってもそこそこまとめられるというか。
康大
どんなサークルで何本回ることが大事なんじゃないですよね。
平野
何本もサークルで重ねるMAXは、レーススピードではないから実際の持久力には繋がらないんじゃないのっていう考えなんでしょうね。
柿添
それはそうだと思うよ。結局その強度のところでやらないと。だから200mのレースの人は50mを4本はいいと思うけど。50m専門の選手が50mを4本やっても結局落としたところでやっちゃうから。やるなら1本目からいって、ただ死んで耐えてくださいだったらまだいいけど、4本そろえようとしちゃうともはや強度が低くなってますよね。
平野
100、200用の練習ですね。タイムをまとめにいっちゃうと。