第6回 「〇〇くなって逃げない」

2020/06/06

【torch 園木】対談記事公開スケジュール

6/1 第1回  torch結成までと僕との出会い  
6/2 第2回 「誰かのため」と「自分のため」
6/3 第3回 幸福の広げ方
6/4 第4回 エンターテイメントとは
6/5 第5回 ライブハウスという場所
6/6 第6回 「〇〇くなって逃げない」

 

「〇〇くなって逃げない」

最終回は、お互いの現在地とこれからについて語り合います。それと、園木君の「○○くなって逃げない」という決意について。

柿添
競技やっている僕も20歳で引退したときも、27歳でまた泳ぎ始めたときも33、4歳でトレーナーさんから指導を受けるまで、自分の限界はあそこだったと思っていたし、週10回ほぼ水泳に投下した人生を超えていくことになるとは全く思っていなくて、自分の限界はここだと思っていたし、でも結果としてそうではなかったっていうことを証明してしまっていて。
園木
結構強烈なことですよね。笑
柿添
いいことでもあるけど、反面悲しくもあるよね。当時一生懸命やっていたことを技術の進歩で超えていけるというのも当然理解はしているんだけど、あんなに練習していたのになって。当然今の方が考える時間は長くなっているんですけど。
園木
ちょっと複雑なところがあるという。
柿添
当時は泳ぐ時間以外に考えてることはなかったんだよね。超えていくのは嬉しいけど悲しいときもある。自分が見えている限界なんて所詮僕からみた限界だから外からみたらそうでもないことは多々ある。それは受け入れないといけないんだなって。
園木
それはありますよね。感情に振り回され過ぎないように、じゃないですけど、気持ち込めて必死に喰らいついてやったのに結構意味ないことってたくさんあるじゃないですか。そういうことについて、ある程度自分も年齢を重ねてきて、ちゃんと考えて動こうって。エモくなって逃げないっていうか。笑
柿添
エモくなって逃げない。笑

園木
ライブハウス的な音楽って汗だくで魂を打ち付けるイメージがあるじゃないですか。汗かきながら「俺はさ・・・!!」っていうMCするような。やっぱりああいう泥臭いものを基本みんな見たくて来ているんだなって思うことが最近あって。
柿添
あぁ、なるほど。
園木
実際、元々はいかにもライブハウスバンドマン的な、「俺らの熱い仲間を呼んだから楽しんで帰ってくれ!」っていうようなライブを主催して打ったりもしてきたんですけど。一方では僕らの場合は、torchを観に来てくれてる人たちってtorchをたっぷり観たいんだなって思うようになってきて。
柿添
うん。それはそうだと思う。
園木
ワンマンしかないなっていう方に切替えていって。最近は単体で見れるライブを増やしていっているんです。
柿添
実際にライブに行ってみて、torchのカラーの違いは感じたね。だからtorchの曲を楽しみにワンマンライブに行きたいっていう人たちの気持ちはわかる気がする。
園木
エモくなって逃げないという意味では、「精一杯の熱い思い」で誤魔化しちゃっているんじゃないのって結構考えるようにもなりましたね。考え方自体が間違っていたらどうしようもないから。きちんと拡張して考えるっていうのは大事ですね。
柿添
それはアーテイスト特有の逃げ道かもね。アスリートは難しいな、エモくなりにくい。笑
園木
そうかもしれないですね。笑 でも不格好でも、そういう気持ちが大事になる場面も多くて、バランスよく持っていたいなって思います。

ミュージシャンの園木邦宝君との対談を全六回にてお送りしました。
お互いの共通する部分、違う部分、知らなかったことなどが多く垣間見えたように思います。
長い時間に渡る対談でしたが、ご愛読いただきありがとうございました。