暗算し続ける人

2016/02/14

「1000個の数字がカンマ区切りで書いてあるテキストデータがあります。このすべてを足し算しなさい。」
という仕事がとある新社会人Aくんに与えられたとします。

これまでAくんはパソコンを全く使ったことがなかったため、初めての時は自分の頭で計算して解いていました。
ですが、これでは時間もかかるしミスが多すぎるので、電卓を使って計算するようになりました。
そして、何度目かのときにはもっと早く出来る方法はないかとGoogleで検索し、エクセルを使えば早く解決できそうだということを知ります。Aくんは最初はうまくセルにわけて貼ることが出来ず、試行錯誤をして、ようやくエクセルにカンマ区切りのデータを読みこませることを覚えて、SUM関数で計算するようになるのでしょう。
なのでパソコンを使った一度目の作業は、Aくんがマスターしていた電卓の作業より一度は時間がかかってしまうかもしれません。それでも、やり方さえ覚えてしまえればその後の時間短縮が見えているので、パソコンの操作を覚えることにしました。

きっとよくある話しです。

では、Aくんが職場で5年たっても10年たっても自分の頭で計算し続けていたとしましょう。
ドンドン暗算が速くなって最初は1000個足すのに1時間かかっていたものが10分になった。彼はとても満足感を覚えています。
「あーおれ入社当初より6倍も速くなった。すごく仕事を頑張っている。俺ってすげぇ。」

そんな地獄のミサワみたいな奴いないよって思うかもしれませんが、そんなことは百も承知なはずの社会人がいざスポーツになるとこれをやってしまうんです。
「速く泳ぎたい。今は50mを40秒だが1年後に30秒にしたい。」
と言っているにも関わらず毎日ひたすら3000mづつ泳ぎ続ける人がいます。
そして1年後も39秒になりました。そして30秒で泳げる人のことをみて

「才能が違う」
「あの人は子どもの時から水泳やっているから」

と言うのです。
本来速くなるためには技術が必要なのです。そのために必要なからだづくりもあります。そして新しい技術を覚えるときは必ず一度タイムが落ちるのです。

にも関わらずただ毎日泳いでいるだけ。新しい技術、知識を学ぼうとしない。それで速くならないと嘆いている人が本当にたくさんいる気がします。
これはAくんがひたする暗算をして速くなっていて満足しているのと同じだと思うのです。
あなたは暗算し続けていませんか?
エクセルで作業を終える人を見て「才能が違う」という人になっていませんか?

 

 

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