第5回 指導のあり方
2017/07/22対談記事公開スケジュール
7/18 第1回 ワールドゲームズ史上初2競技での代表選出
7/19 第2回 フィンスイミングと競泳の違い
7/20 第3回 技術の言語化
7/21 第4回 日本のスポーツ文化とマルチアスリート
7/22 第5回 指導のあり方
7/23 第6回 大学時代のプレッシャー
7/24 第7回 マルチアスリートは日本のスポーツ文化を変えていけるか
第4回では競技を兼ねることのメリットについてでした。第5回では指導のあり方と題して、あるべき指導の方法などを考えていきます。
それに答えられないんだったら君は何の練習するの?ってことなんだよね。こういう風に練習してここを変えるからこのタイムになって彼に勝てるかもしれないっていう考えがあってやってるならいいんですけど、そういうのがないんだったら君はこの練習は何のためにやってるの?ということになる。
フィンスイミングのチームメイトには正直にそう言っています。僕が分かることは全部伝えるけど僕だって世界から見るとまだタイムにして10%ぐらい世界のトップより遅い。この10%の差が全部身体能力の差かというと多分そうじゃないんです。それ以外の何か技術的に間違ってるものがある。そこに関しては僕なりに頑張って解析して伝える。でも、一緒に議論してつくってかないとここは縮まらないし、僕が一人で精いっぱい考えててもしょせん一人の頭だから足りないんです。だから一緒に考えてねっていう感じのアプローチを今のチームではとってます。
抜け出せない成功体験
練習っていうは、テクニック、技術面を身体に定着させていくためにあるわけですね。そのためにはゆっくりと余裕のある状態でまずできるようになるっていうのが大事なわけです。普通の人は、それがちょっとできたから今度はいきなり全力を出して同じことをやってみようとしちゃうんです。でも、確実に速くなっていく人たちは、何が違うのかっていうと、技術を身体に定着させる段階を徐々に積み重ねていくんですね。スピードを出してみて、ここまでならできる、ここまでいったらできない、だからちょっと戻って、ここのスピードで定着させる。そういうやり方を知ってる選手はしばらくすると全力を出してもその技術を発揮できるようになる。汚い泳ぎ方で全力で頑張っても、いい泳ぎ方ではないので、本来到達できるはずの泳ぎ方よりも遅い泳ぎ方なんです。でもコーチに「頑張れ」「本気でやれ」って言われるとみんな汚い泳ぎ方で全力で頑張っちゃうんですよね。
次回は「大学時代のプレッシャー」です。 個人競技である水泳に一気に団体要素が盛り込まれるインカレ。それまでとは違い出場人数などや、4年間という時間の制約など新たな要素が一気に入ってきます。この辺を詳しく解説します。